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導入事例 - ワコム様

大革新的な入力デバイスでグローバルをリードするワコム 仮想デスクトップ検証環境の構築で新たなステージへ

導入の背景

仮想デスクトップ環境におけるワコム製品対応の問い合わせが多く、自社での検証が必要。

選定理由

アセンテックのVDIセミナーに参加し相談したところ、同社SEの技術力が高く、大きくないビジネスに対しても非常に協力的に取り組んでもらえたため。

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入力デバイスソリューションで世界を革新し続ける先進企業

ロゴ ペンタブレットを始めとした先進的な入力デバイスで、いまやグローバルな企業に成長した株式会社ワコム。コンシューマ向け入力デバイスや、デザイン、アート関連に始まり、昨今では医療機関や金融機関における入力デバイスとしてもその裾野を広げている。ブランド製品事業においては、ワコムブランドを冠したハードウェア製品やソフトウェア、ソリューションなどを提供。ハイエンドのデザインやグラフィックス用途から、日常のクリエイティブな活動を楽しむデジタル文房具、さらには業務フローのペーパーレス化やセキュリティ強化に役立つ入力機器まで、お客様のニーズや事業特性に対応できる商品構成を用意している。
また、テクノロジーソリューション事業においては、ペンタブレットで培ってきたペン入力とマルチタッチ技術を、AndroidやWindowsなどのOSに対応させ、各種モバイル機器に提供、スマートフォンやタブレット、パソコン、電子書籍端末にペン入力やマルチタッチ機能をOEM(相手先ブランド製造)先にコンポーネントとして供給している。

お客さまへの問い合わせに対する苦慮〜仮想デスクトップへいかに対応するか

小山氏、畑氏
ビジネス ソリューションユニット ストラテジー&プロダクトライフサイクルマネジメント シニアスペシャリスト
小山 昴志 氏(左)

ビジネス ソリューション Japan BS マーケティング シニアマネージャー
畑 隆久 氏(右)
この株式会社ワコムで昨今、増加傾向にある客様からのお問い合わせについて、その対応に苦慮していた。その問い合わせというのは、仮想デスクトップ環境におけるワコム製品対応についてのものだった。仮想デスクトップ・ソリューションは、高いセキュリティ性や運用管理負担の低減といった大きなメリットがあるのに加え、BCP(事業継続計画)や機動的なワークスタイルへの変革といった側面で、高い注目を変わらず集めている。昨今では、総務省による提言などにより、企業内部のネットワーク環境と、外部アクセスのネットワーク環境を分離するなど、さまざまなセキュリティ向上への取り組みが模索される中、仮想デスクトップはさらにその存在感を高めている。
ワコムの企業顧客の中でも医療機関や金融機関を中心に、仮想デスクトップ採用企業、または検討企業が増加しており、ワコム製品の対応に関するお問い合わせが昨今大きく増加していた。
この状況について株式会社ワコム ビジネス ソリューションユニット ストラテジー&プロダクトライフサイクル マネジメント シニアスペシャリストの小山 昴志氏はこのように説明している。

「仮想デスクトップへの対応に関するお問い合わせが増加していましたが、残念ながら弊社内にはそのノウハウがありませんでした。そのため、自社製品において、その対応について明確に答えることができず、大きな課題となっていました。常に検証できる環境を持つことはもちろんですが、仮想デスクトップ・ソリューションのベンダー様とも連携して、自社製品を対応させていくことは、不可欠なことと考えていました。場合によっては、仮想デスクトップ環境に対応していないため、ワコム製品の利用を断念せざるを得ない可能性もあり得ます。そのような事態を回避するためにも、このような新しい技術に追従していくことは、メーカーとして必須なことと言えると思います。」

入力デバイスメーカーとして、接続するPCやITインフラ環境における、OSやアプリケーションへの対応を常に十分なものとしていく必要がある。こういった背景により、ワコムは自社に仮想デスクトップ環境を構築し、自社検証環境として、利用していく方針に決定した。

新たなプロジェクト〜仮想デスクトップ検証環境の構築へ

Citrix Virtual Apps しかしながら、あくまで自社検証環境であり、企業内での全社導入などと異なり、ワコムの導入ビジネス規模は大きくはならない。また、さまざまなワコム製品との利用確認も必要となってくるため、ビジネス規模に対して、非常に技術力も要求されるプロジェクトとして、提案を求めたいくつかの企業からは尻込みをされてしまった。前述の小山氏はこのようにコメントしている。

「本プロジェクトは自社員の業務利用等ではなく、あくまで自社デバイスに対する検証環境利用のため、ビジネスボリュームとしては大きくないものでした。さらに、ペンタプレットという先進的なデバイスでの利用検証も必要なため、技術力も要求されることから、あまりいい返事が貰えないことが多かったです。そのような中、アセンテック様のショールームである「VDIイノベーションセンター」でのセミナーに参加し、同社の営業さんやSEの方にご相談させていただきました。同社は仮想デスクトップ専業ベンダーとして長く展開されていたため、技術力も高く、また、このような大きくないビジネスに対しても非常に協力的に取り組んでもらえ、このプロジェクトは大きく進展しました。」

2015年夏頃のアセンテックへの相談以降、ワコムの仮想デスクトップ環境構築プロジェクトは本格的に取り組まれて行くこととなった。
そして、ワコム社内における仮想デスクトップ環境の構築作業が開始され、同時に自社製品との連携を確認していくこととなった。実際に構築し、仮想デスクトップ環境で動作させてみたものの、当初は芳しい結果が得られなかった。

「USBでエンドポイントの端末に接続し、ネットワーク経由でアプリケーションを操作することになりますが、やはりその間でさまざまな課題が発生し、スムーズに行かない状況も発生しました。シトリックスの画面転送プロトコルであるICAプロトコルは、非常に優れたアーキテクチャで市場の評価は高く、USBリダイレクトの機能でUSB製品を問題なく利用できることが可能ですが、ワコム製品はそのパフォーマンスも大変重要であり、ややその反応に問題がありました。この時、ICAプロトコルの課題に対し、シトリックス様が、迅速に対応してくれ、十分なパフォーマンスが発揮できるように最新のICAクライアントで対応いただきました。これにより、大半のワコム製品において、スムーズな操作が実現し、シトリックス環境でのワコム製品利用に対し、お客さまに胸を張って「問題なくご利用いただけます」とお話できるようになりました。」

「さらに、この間、仮想環境側にも問題が発生することもありましたが、アセンテックのSE様を中心としたチームが、非常に柔軟に課題に対して対応していただけました。技術力のみではなく、課題に積極的に取り組む柔軟性も今回のプロジェクトがうまくいった要因だと考えています。」(小山氏)

仮想デスクトップの導入〜そして、新たな展開へ

実際に仮想デスクトップ環境を導入し、さまざまな自社製品を検証することにより、お客さま環境へ依存することなく、その対応に自信を持って訴えることが可能となった。
さらに、教育機関や医療機関などを中心とし、さらに書類のサインなどを電子デバイスで行う金融機関なども含め、仮想デスクトップへ移行、またはそれを予定している企業に対し、積極的にワコム製品をマーケティングしていくことが可能となった。また、これまでであれば、従来ワコム製品を利用してもらっていたものの、仮想デスクトップへの環境移行により、その対応可否で、ワコム製品が利用されなくなってしまうリスクもあったが、そういったリスクも抑えることができると考えられている。また、これらのメリットに加え、もうひとつ大きなメリットが存在する。それは、これまで、顧客向けにワコム製品をデモンストレーションする際に、デモンストレーション用の利用環境が入ったサーバなどのハードウェアを常に準備する必要があった。それは、国内はもとより、海外に至るまで、必要に応じてハードウェア自体を共有する必要があり、大きな負担となっていた。しかしながら、仮想環境の構築により、ネットワーク経由でデモンストレーション環境を利用できるため、これまでのように実際のデータが入ったハードウェアをやり取りする必要がなくなり、国内外のあらゆる拠点がネットワークを介して、容易にデモンストレーション環境を利用できるようになったのである。
今後の展開について、株式会社ワコム ビジネス ソリューション Japan BSマーケティング シニアマネージャー 畑 隆久氏は次のように答えている。


「次々と発表される自社製品について、しっかりと検証していき、その対応を発表していくのはもちろんですが、マーケティング展開も積極的に行い、仮想デスクトップ環境でのワコム製品利用を拡大していきたいですね。また、仮想デスクトップ環境も常に革新し、新しくなっていくものと思いますので、常にそういった最新の環境に追従し、自社製品をフォローしていくことが重要と考えています。」

お客様情報

お客様名 株式会社ワコム
所在地 〒349-1148 埼玉県加須市豊野台2-510-1
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